2009年1月13日火曜日

『パラダイス鎖国』を読んだ

タイトルだけは知ってて読まずにいたのだけれど、先日の正月のNHKの番組で取り上げられていたのを機に読んでみた。

パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本


NHKでは「最近の若者は海外旅行よりも温泉」みたいなくだりで、日本が住みやすくて人々が内向きになっているという、現状分析的な話でしかなかった気がする。だが、本書では「ではどうすべきか?」という著者の見解もちゃんとある。というかその方がむしろメインだ。

それは一言で言ってしまえば「多様性」であり、シリコンバレー型の試行錯誤と多様性を許容する仕組みを取り入れて「イノベーション・ベースの経済」を促進することだという。

個人レベルの話であれば、「多様性」の中で、自分がどんな位置づけで居場所を作っていくか、各自が自分の経歴も踏まえて考えろ、ということです。これ読んで「結局、何をすればいいかよくわからん」という人は、自分自身のことであるにもかかわらず思考停止しているだけだと思います。

P.172

現状の環境が嫌だからどこかに青い鳥を求める、いまの自分でない誰か別の人間になる、というのではなく、これまでの仕事で自分が何を得たか、このあと役に立つとアピールできるのは何か、自分の在庫を点検し、利用できるものは大いに使う、というステップを踏むことが重要だ。

で、私自身の経歴を考えればやっぱりITと英語を活かすことだと改めて思いました。
英語についてはこんなことも書いてありますが、

P.172
いま、何をすればいいかがわからないときは、とりあえず英語を勉強したらよい。どれでも外国語ができればトクだが、英語は世界で最も潰しのきく万能スキルである。どこの国でもどこの分野でも、何かしら役に立つ。ロングテール戦略の情報獲得にも使え、ぬるま湯を求める世界が広がる。

これは確かにその通りなのだけれども、いずれは英語そのものではない自分の専門分野、得意分野とか、もう少し広くいって「やりたいこと」を見つけないといけないということは意識していないといけないと思う。

私は学生時代には英語の勉強はそこそこして、得意とまでは思えてないが「普通の日本人」よりはマシくらいには思っていたけど、就職活動の時には「結局それで何がしたいのか?」がないことには全然ダメだということを思い知らされたわけですよ。「英語」そのものが自分の専門と言える人もいることはいるが、それって読み書き会話ができるようになる事とは次元が違う話。

それで逆に英語のことはすっかり放っておいて、ITとかにのめり込んでた自分の不器用さもどうかと思うが、そろそろ本気で英語もブラッシュアップして、自分の「けものみち」戦略に組み込んでいく具体的な動きをしないと、と改めて思ったわけです。

Text of Steve Jobs' Commencement address (2005)
You've got to find what you love. And that is as true for your work as it is for your lovers. Your work is going to fill a large part of your life, and the only way to be truly satisfied is to do what you believe is great work. And the only way to do great work is to love what you do. If you haven't found it yet, keep looking. Don't settle.
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma — which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.

最近またこれをよく読むようになって、自分に言い聞かせています。

See Also :
『ウェブ時代 5つの定理』とSteve Jobsのスピーチ

1 コメント:

yuta さんのコメント...

こんばんは。ちょうど最近同じ本を読んだものでコメントしてみました。面白そうなエントリーがあるので後日読ませていただきます。ちなみに私はとりあえずつぶしのきく英語、簿記を勉強する日々…です。