2011年2月20日日曜日

SIerの人月ビジネス脱却の件

人月ビジネスの件は、ちょっと前に自分でも似たような事を書いていたなぁとか思った。

クラウド時代にSIerはどう生き残るのか? 人月ビジネスからどう脱却するのか? 大手SIer役員にインタビューしました - Publickey

とはいえ、そのときに顧客への価値、あるいは満足度をどう計るかは難しいですね。鉄道は「ここにあるものが、あそこへ移動している」という仕様がはっきりしている。ところがITは仕様があいまいだったり、速くできてもそれが当たり前だと思われたり、価値につながることが理解されない可能性がありますね。


SIerが人月商売から脱却するのはやっぱり難しい
SIerはそのシステム投資の「顧客価値」が見積もれないので、コストベースで積み上げた金額しか提示できないわけですね。金額の根拠を説明するのもコストの話がわかりやすいし合意も得られやすい。
それは顧客側もほとんど似たような話だと思うわけで、本当にそのシステム投資の価値が見積もれているのかというのは結構疑問。
「とりあえず予算がこうだから、この範囲でやるしかない」というのも一つの価値基準ではあるけど、本当ならそのシステム投資によってもたらされる生産性の向上や収益機会の拡大によって得られるはずの「キャッシュフロー」から投資予算も決められるわけなんだけどね。


ビジネスモデルを変えなきゃね、というのは何度も出ている話なので、今さらあらためて言う程の事ではないかなとも思います。

様々なサービスやプロダクトがある中で、実際にそれらを使う企業が自身のビジネスプロセスの中にどう組み込んでいくかという部分は、必要な仕事として残るだろうから、"System Integration" という本来の言葉通りの仕事になっていくというのも一つの方向性なのかな。
それですら、コンサルファームのIT系の人達とはまともに競合するだろうし、顧客が自らスキルのある人を雇ってもいい所だろうから、安泰とはいかない。
そもそもきっとそれだけでは人月ビジネスからは脱却できないでしょう。

そして、そういった過程では、これまでは一番のボリュームゾーンで儲けるポイントだったスクラッチ開発の部分は、どんどん削られていくわけで、今の規模を維持していくのは無理でしょう。

一番仕事がなくなるのは、詳細設計・プログラミングから単体・結合テストくらいのフェーズだけを請け負ったり人だけ派遣しているようなビジネスモデルの会社だったり、実際のそういうモデルの中で仕事している技術者自身なのでしょうが、それこそ今さらなお話。

強みを見極めて独自のサービス化・プロダクト化していく、というのが、総論としてはその通りなのだろうけど、具体的に何ができるのかって考えるのは結構難しいよね。
ユーザがどんなビジネスモデルでやっているのかがわからないと、そこにどんなものが訴求するのか想像もできない。

まあ答えはそう簡単には出ないのだが。

個人レベルで言えば、自前で独自のサービスやプロダクトを作るのは難しくても、ユーザ企業でIT活用を推進するようなポジションに移った方が面白い仕事ができるのではないかとか思ったりします。

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